(4)判読結果のまとめ

1)地形面区分のまとめ

調査地域の地形は、大局的には山地と低地に区分される。

伊吹山地は中・古生層(美濃帯)を基盤とする山地で、最南端に位置する伊吹山(1,377m)を最高峰に、1,300m前後の峰々が連なっている。山地を解析する河川は南北方向が卓越している。伊吹山の南西斜面には大規模崩壊を示唆する馬蹄形に窪んだ斜面がみられ、山麓部には崩壊物質によってできた流れ山(小丘)が数多く分布している。山腹斜面にみられる小規模な崩壊地・崩壊跡地はまとまった分布傾向はない。

伊吹山地西部〜南西部や南宮山北東の山麓では小さな谷の出口に扇状地が形成されている。隣接する扇状地は互いに重なり合い、山麓部に一連の緩傾斜地が形成されている。主な河川に沿っては段丘が形成されており、上位よりM面、L1面、L2面として区分した。段丘面の形成年代については、鈴鹿山地東縁での研究事例(太田・寒川(1984))を引用し、M面は約5〜8万年前,L1面が2〜3万年前、L2面が1.5万年前と推定した。M面は開析が進み段丘面としての保存は悪い。L1面との比高は十数m程度である。L1面は段丘面としての保存は比較的よい。分布範囲は狭く、スポット的に分布している。L2面との比高は数m程度である。L2面は段丘面の保存が良好で、多くの箇所で宅地等として利用されている。主な河川に沿っては谷底平野が形成されているが、その幅はせいぜい500m程度である。

2)断層変位地形のまとめ

調査地域内には鞍部の連続、直線的な水系、閉塞丘、尾根・谷の屈曲、三角末端面など、断層変位地形が多くみられる。しかし、更新世後期の地形面には低断層崖や撓曲崖がほとんど認められない。

更新世後期の地形面に断層変位地形が認められる箇所は、垂井町宮代から養老町橋爪の山麓部及び段丘面上である。ここでは、上下変位量数mの低断層崖や撓曲崖などがみられる。

地質的な脆弱部を示すと考えられる鞍部や閉塞丘、尾根・谷の屈曲は、高月町高野〜伊吹町吉槻の山中や関ヶ原町玉〜秋葉の山麓部、関ヶ原町野上〜垂井町栗原の山中などに連続的に分布している。閉塞丘や尾根・谷の屈曲は高月町高野〜浅井町鍛冶屋の山中や伊吹町藤川〜関ヶ原町秋葉の山麓部などに連続的にみられる。ずれの大きさは場所によって若干異なるが、数十mから百数十m程度である。これらの断層変位地形はいずれも左横ずれのセンスを示している。

浅井町醍醐〜伊吹町伊吹や伊吹町弥高〜関ヶ原町玉の山脚末端部には三角末端面が連続的に形成されている。

これらの断層変位地形は、宮代地区周辺の低断層崖・撓曲崖がL2面(約1.5万年前)を変位させている以外は、いずれも段丘面を変位させていない。