(5)藤原地点

地形的には、藤原町山口北西の員弁川支流河内谷川沿いの標高は180mの地点であり、中位段丘面(M面)が、流路沿いに発達する。河内谷川の南側の中位面には、やや不明瞭ながら北西−南東方向の低崖地形が連続しており、露頭はぎ地点の断層と関連性をもつ可能性が高い。

整形した壁面の地質構成は、頁岩からなる中・古生界と東海層群の礫層(礫率10%、礫種:チャート、頁岩等、基質:褐色シルト)が分布し、これらを不整合に覆って段丘堆積物が分布する。中・古生界は著しく破砕及び粘土化し、東海層群とは低角の逆断層で接している。低角逆断層面の走向傾斜は、N35゜W20゜Sである。中・古生界の破砕幅は約4mであり、この露頭だけでなく、南側の道路をはさんで比高約5〜6m高い位置にも分布し、数条の破砕帯が存在すると推定される。東海層群の地層構造は、N20゜W50゜Wの走向傾斜を示す。東海層群中にも、やや高角の小断層が存在し、この断層面は主断層による引きずりが認められる。

低角逆断層は、東海層群と中・古生界の上位を不整合に覆う段丘堆積物に変位を与えている。変位量は、段丘堆積物の基底面を基準として鉛直に約60cm程度である。この低角逆断層は、既存資料による一志断層系(境界断層系)の延長に位置しているが、断層の性状はかなり低角で、新しい段丘堆積物に変位を与えており、前縁断層系の延長である可能性も推定される。露頭の地質構成表とスケッチ図をそれぞれ表2−5−5−5及び図2−5−5−9に示した。

最後に、表2−5−5−6にトレンチ及び露頭はぎの調査結果一覧の概要を示す。

表2−5−5−5 地質構成表(藤原地点)

表2−5−5−6 トレンチ(露頭はぎ取り含む)観察結果一覧表