(3)B−4コア試料の花粉分析

分析試料:B−4ボーリングコア試料は一般に砂礫層が卓越し、花粉が含まれるとみられる細粒部は深度1.30〜1.70m、深度8.45〜8.80m、深度9.70〜9.85m、深度15.05〜15.30mおよび深度16.60〜20.00である。

結果:細粒部のうち、浅い部分の深度1.30〜1.70mおよび深い部分の深度16.60〜20.00mからは花粉、胞子の産出が得られなかった。図3−8−3−4に花粉ダイアグラムを示すとともに、以下に各試料の分析結果と特徴を略記する。

OB−4−4(深度8.45m)〜OB−4−6(深度8.80m)では針葉樹のマツ属、モミ属、トウヒ属、ツガ属が2〜5%の産出である。広葉樹ではハンノキ属が50〜60%と極めて高い割合を示し、草本類ではカヤツリグサ科が7〜10%でやや高率であり、イネ科、キク科、タデ属などは1〜2%である。胞子では単条型が10〜15%でやや高率であるが、三条型の産出は極めて少ない。

OB−4−7(深度9.70m)〜OB−4−8(深度9.85m)では針葉樹はマツ属、モミ属、ツガ属が4〜10%の割合で産し、マキ属が低率ながら加わっている。広葉樹ではアカガシ亜属、コナラ亜属にサルスベリ属が5〜8%産出して特徴がある。草本類ではイネ科、カヤツリグサ科、ヨモギ属アカザ科が2%程度産出する。胞子では単条型が30〜50%、三条型が15〜24%といずれも高率である。

OB−4−9(深度15.10m)では針葉樹のモミ属、トウヒ属、ツガ属はいずれも1〜2%と低率であり、広葉樹ではハンノキ属が28%で高率であり、クマシデ属は約10%、ガマズミ属は6%、エノキ属約5%でやや産出が良好である。草本類ではイネ科が11%、ヨモギ属が12%で、その他タデ属約9%、カヤツリグサ科3%などである。胞子では単条型

図3−8−3−4 ボーリングB−4花粉ダイヤグラム

7%に対して、三条型は0.4%と極めて低率である。

OB−4−10(深度16.60m)以深については花粉、胞子が得られなかった。