(3)断層の活動性評価

(1)断層活動時期

日向地区における最新活動時期は約2000yBP以降、1707AD以前である。北金目地区では約1700yBP以降、1707AD以前である。いずれも、その1回前の活動時期は不明である。

松田ほか(1988)31)による最新活動時期は、延暦・貞観年間のテフラ層(約1100yBP)堆積以降で、宝永スコリア堆積以前である。

以上の活動時期が同時期かどうかは決定し難い。  

(2)対応する歴史地震

津波を伴わないM≧7の宝永期(1707年)以前の地震として、@878年(元慶2年)、A1293年(永仁元年)、B1433年(永享5年)、C1648年(慶安元年)、D1670年(寛文10年)があげられる。松田ほか(1988)31)は伊勢原断層の最新活動時期の地震に対応する歴史地震として最もよく適合する地震は、元慶2年(西暦878年)の相模・武蔵地震であると述べている。しかし、今回の調査では、活動時期(約2000年前以降)の期間が特定できないことから、対応する歴史地震は不明である。

(3)平均変位速度(S)

各地区別の平均変位速度は次のとおりである。

@日向地区;   0.22m/千年(ボーリングによる)

A峰岸地区;0.13〜0.20m/千年(航測による)

B岡崎・鶴巻;0.20〜0.21m/千年(ボーリングによる)

C岡崎(駒形神社)地区;推 定0.16m/千年(ジオプローブによる)

D岡崎地区(文献); 0.2〜0.4 m/千年(松田ほか(1988)31)による)

以上をまとめると平均変位速度は約0.2〜0.3 m/千年と考えられる。

(4)単位変位量(1回の活動に伴う変位量)(D)

・今回調査結果  ;約1.0m  (北金目地区)

・文献(岡崎地区);1.6±0.6m(松田ほか(1988)31))

(5)再来間隔(R)

本調査では、具体的に再来間隔を検討する資料が得られなかったが、平均変位速度(S)と単位変位量(D)から、式R=D/Sで求めるとR=約3300〜5000年と推定される。松田ほか(1988)31)は5000年以上としている。