5−1−2 中期更新世末期以降のテフラ層序

会津盆地西縁断層帯の活動性を検討する上で,時間軸となるテフラ層序が重要である。しかし,会津盆地西部におけるテフラに関しては,従来の研究報告はほとんどなく,最近,鈴木ほか(1998)により,会津盆地南部の会津高田町旭三寄の露頭におけるテフラが記載されているのみである。

このため,鈴木ほか(1998),鈴木(1999)を参考にして,当該地域に認められるテフラについて,露頭での肉眼的特徴及び室内における分析・測定結果に基づき,中期更新世最末期以降のテフラ層序について検討を行った(図5−9図5−10)。

その結果,会津盆地西縁断層帯付近に分布する中期更新世最末期以降の示標テフラとして,下位より,田頭テフラ,芝原テフラ下部(仮称),芝原テフラ,阿蘇4テフラ,赤城−追貝テフラ,沼沢−金山テフラ,姶良Tnテフラ,浅間板鼻黄色テフラ及び沼沢−沼沢湖テフラの9層が確認された。これらの示標テフラの特徴と年代を表5−3に示す。なお,会津盆地西縁においては,芝原テフラの直下に層厚が1m〜3m程度のテフラが認められる。このテフラは,上記の田頭テフラ及び芝原テフラと類似した特徴(特にガラスの低屈折率等)を示すものの,層位,ガラスの屈折率の最頻値等により,両テフラとの識別が可能である(図5−11)。このテフラは,他の地域では未記載であり,その層位は,いずれの地点でも上位の芝原テフラとの間にローム層を挟まないことから,芝原テフラに近接しているものと判断して,芝原テフラ下部と仮称する。以下に各テフラの特徴について述べる。