3−3−3 栃窪Aトレンチ調査結果

本トレンチは,平成9年度において,最新活動における単位変位量を明らかにすることを目的に,真野川沿いに分布する最低位の沖積段丘面(A面)上で掘削された(図3−3図3−11図3−12)。

トレンチの各法面には,基盤岩であるジュラ系〜白亜系及び新第三系の破砕帯とそれを覆う第四紀の堆積物が分布しており,トレンチ内の第四紀堆積物は,層相・構造の違い等に基づき,下位よりl層及びu層の2層に区分される(図3−13)。

トレンチの南北両法面には,基盤岩上面すなわち・層基底面に約0.6m〜約0.65m東落ちの鉛直変位を与え,その上部の・層に連続する断層が確認され,この断層はu層に変位を与えていない(図3−14図3−15)。u層下部の14C年代は約2000y.B.P.の値を示し,これに変位が認められないこと及びl層基底面の鉛直変位量からみて,本トレンチにおけるl層基底面の鉛直変位量は,最新活動のみによるものと判断できる。この鉛直変位量は,前述の栃窪南トレンチにおける基盤上面の鉛直変位量約1m〜約1.3mのおよそ半分であり,栃窪南トレンチにおける基盤上面の鉛直変位量は2回分の累積変位と判断される。このことから,栃窪地区においては,最新活動及びその一回前の活動における鉛直方向の単位変位量はほぼ同程度あり,その量は約0.5m〜約0.65m となる。