3−3−2 栃窪南トレンチ調査結果

本トレンチは,平成9年度に最新活動時期の確認及びその一回前の活動時期の検討を目的に,平成8年度にピット調査を実施した地点と同一地点のL面上で掘削された(図3−3図3−6)。

トレンチの各法面には,基盤岩であるジュラ系〜白亜系の破砕帯とそれを覆う第四紀の堆積物が分布しており,トレンチ内の第四紀堆積物は,層相・構造の違い, 14C年代等に基づき,下位よりT層〜X層の5層に区分され,U層中には,特徴的な層相を示し鍵層となるUk1層及びUk2層が認められる(図3−7)。

トレンチの南北両法面には,基盤岩上面すなわちT層基底面に約1m〜約1.3m東落ちの鉛直変位を与え,その上部の堆積物に連続する断層が確認された(図3−8図3−9図3−10)。

本トレンチでは,上記の平成8年度に実施したピット調査で確認された最新活動の他に,それ以前の活動として,Uk1層以下の地層とUk2層以上の地層とで鉛直変位量に不連続が認められること,Uk1層以下の地層には断層による引きずりの変形が顕著であるが,Uk2層はこれを不整合に覆い,Uk2層の基底面を境に上下の地層の構造差が顕著であることから,Uk1層堆積後,Uk2層堆積前の断層活動が認定される(図3−10)。Uk1層の14C年代は11700±130y.B.P.の値を,Uk2層直上部の14C年代は10540±50y.B.P.〜9520±50y.B.P.の値を示すことから,この断層活動の時期は,約12000y.B.P.以降,約9500y.B.P.以前となり,これ以降,最新活動時期まで,各層に断層活動を示唆する構造が認められないことから,この活動が,本地点における双葉断層の最新活動の一回前の活動にあたる。このことから,最新活動時期を約2000y.B.P.とすると,本地点における双葉断層の活動間隔は約7500年〜約10000年となる。