2−1 柳ヶ瀬断層北部の概要

文献によれば、柳ヶ瀬断層は椿坂峠付近を境として北部地域と南部地域で活動性に差があるとされおり、南部の椿坂地区でのトレンチ調査の最新活動としては、西暦1325年(正中2年)の地震に対応する可能性が指摘されている(杉山他、1993)。

一方、平成9年、地質調査所が椿坂峠の北側で実施したトレンチ調査では、柳ヶ瀬断層の変位は、約7千年前以降認められなかったとされている(地質調査所、1998)。なお、同箇所以北では、第四紀の地層に変位を及ぼしている断層の露頭は報告されていなかったが、本調査で柳ヶ瀬断層北部で、第四紀の地層が断層で接している露頭を見出し、その活動性を調べた。空中写真の判読から、福井県側の栃ノ木峠から板取までの孫谷川上流の直線谷付近にやや明瞭なリニアメント*が認められる。このリニアメントは、山腹の傾斜変換点や山地と谷低地との境界を通り、南からの連続性から柳ヶ瀬断層相当と判断される。板取以北では、リニアメントは長さも短く、不明瞭なものに変わる(図1−1図2−1)。