(6)地質層序

音波探査記録断面図の音響層序区分および文献資料などの地質層序との対比については、既に(3)項および(5)項で述べた。

以下、各層の分布、層厚、堆積状況、岩相、地質時代などについて述べる。

(a)B層の特徴

B層は調査海域の基盤岩類であり全域で分布が認められるが、上位層に覆われて海底には露出しない。本層は沖合部では褶曲した層理を示し、沿岸部では無層理を示す場合が多いが、両者の境界は明瞭でない。

B層は周辺の陸・海域の地質資料などから、無層理を示すものが新第三系〜先新第三系の火成岩または堆積岩、褶曲した層理を示すものが新第三系の堆積岩と推定される。

(b)P層の特徴

P層は調査海域の全域で海底に分布する。本層はB層を顕著な不整合関係で覆い、層内にみられる軽微な不整合などによりP1〜P4層の4層に細分される。

P層は沿岸部では沖合方向に向かって厚くなる傾向を示し、大陸棚外縁付近では最大層厚(約700m)に達するが、さらに沖合部は層厚の変化に乏しく概ね500m前後である。

P層は沿岸部では沖合方向へ向かって発散状に傾斜する層理、前置層的層理を示すが、沖合部ではほぼ水平で静穏に堆積する傾向がみられる。また、大陸棚外縁付近では顕著な乱堆積構造がみられるが、その下位の基底面が水平で変化がみられないことから、構造運動に起因するものではなく、海底地滑りなどに起因するものと考えられる。

P層は周辺の陸・海域の地質資料などから、第四紀の未固結または半固結の堆積物と考えられる。

上述の各層の層序と文献の地質層序との対比を表2−3−3−4に示す。