(1)三貫堰地区

・最も東側で実施したボ−リング(BSA−5)では,地表からの深度7m以深は深度50mまで新第三紀層が確認され,近隣で実施したボ−リング(BSA−3)との間に,高角度の地質的段差(ギャップ)が存在する。

・BSA−3より西方にかけてのボ−リングでは,深度4〜17mの間に,粘土混じり砂礫層を挟む3層の粘土シルト層が確認された。3層の内最下層は,炭化した有機物を含む粘土層である。3層の性状と層厚等から判断し,対比可能な鍵層と判断される。

・上記3層の粘土シルト層は,本来水平に堆積した地質であるものの,幅約150mにわたって東に傾斜している(トレンチ調査結果を含めた葉理面の傾斜状況)。傾斜角度は約2゚〜3゚。

・3層の粘土シルト層の内,最上位層は約2.9万年前に形成されたデ−タが得られている。

・BSA−4付近において,粘土シルト層の傾斜が急になっている。この箇所を挟んだ堆積物上面標高の比高差は,約2.2mである。

・BSA−1からBSA−6にかけて,粘土シルト層の傾斜が急になっている。この箇所を挟んだ堆積物上面標高の比高差は,約4.6mである。

・ボ−リング調査結果から判断し,地層の水平方向の変形は,西方では約2.2m,東方では約4.6mの,計6.8mが変位量と考えられる。