(4)調査方法

調査測線の位置を図2−1−5−1図2−1−5−2に示す。また,バイブロサイスによる反射法地震探査の概念図を図2−1−6に,共通反射点重合法の概念図を図2−1−7に示す。

使用した震源は,調査対象が極めて深い事と秋田側の測線の4割は市街地を通り,交通のノイズが大きい事から,大型の非爆薬人工震源バイブロサイスと爆薬震源ダイナマイトである。

バイブロサイス反射法探査としては,想定される断層帯にほぼ直交する東西方向に秋田側に約13q,岩手側に約11qの受振器測線を設定した。バイブロサイス調査は,大型のバイブロサイス4台を震源として用い,受振点間隔50m,発震点間隔200〜300m,479チャネルのCDP重合法に基づくデータ取得を行った。バイブロサイス震源は,20秒間のスイープと呼ばれる振動を周波数を変化させながら与えてデータを取得するため,比較的車両の等のノイズに強いという特徴がある。しかしながら,図2−1−8に示すような波形の処理・解析が必要である。

一方,ダイナマイト震源により同じ受振器測線上で広角反射波データの取得が行われた。ダイナマイト発震によるデータ取得では,深部からの広角反射波データはもとより屈折法地震探査データの取得もできる事から,計画書並びに仕様書の中ではこの手法を便宜的に屈折法地震探査と呼称していた。広角反射波データの取得にあたっては,バイブロサイスとダイナマイトのエネルギー透過力を評価できる様に,ダイナマイト発震点をバイブロサイス発震点の近傍に5箇所設け,両者の比較を可能にした。

更に,測線中央部の5qの区間に関し,50m毎に1スイープ発震を行い(以下では,この作業を便宜的に高密度発震と呼ぶ),地表付近の浅層部における断層の位置を把握する為の高分解能の反射記録を収録した。

データの収録には図2−1−9に示すような構成になっているG・DAPS−4型探鉱機を用いた。